痛いよ

ねえきみが思っている程
ぼくは馬鹿じゃないよ
鈍感なフリするのも 
堪えられなくなってきたんだ

ぼくのために 
さりげなく隠している過去も
たまにつくやさしい嘘も 
気付いているんだよ

きみが使う ことばひとつで 
ぼくはいつも  
胸が痛いよ

平然と振る舞うぼくも
内心は穏やかじゃないよ
全神経を尖らせて
君を探ってるの
乱れる呼吸 
泳いでる目 
はぐらかす表情
一挙手一投足が 
恐くて仕方ないんだよ

きみが作るしぐさひとつで 
ぼくはいつも 
胸が痛いよ

気に入ってるその洋服も
ヘアースタイルや厚化粧も
思い出話も価値観も喜怒哀楽も
変なくせのあるキスも 
ベッドで喘ぐ声も
ぼく以外の誰かにも
見せていたんでしょう

きみが使うことばひとつで 
ぼくはいつも 
胸が痛いよ
きみが作るしぐさひとつで 
ぼくはいつも 
胸が痛いよ

やさしい嘘をついてまでも 
喜ばせるよりもさ
本当のことを言ってくれよ 
そしてぼくを悲しませて

気付いたらぼくはもう 
独占欲に溺れていて
エゴイズムを振り翳して 
くだらない愛を語っていたよ
でもぼくはきみが好きで 
どうしようもない程に好きなのさ
これだけは
信じて欲しいんだよ

きみが生きるひとつひとつが 
ぼくにとって喜びなんだ
きみが生きるひとつひとつが 
ぼくにとって悲しみなんだ
胸が痛いよ 胸が痛いよ 胸が痛いよ

ぼくが抱くこの思いは 
きみにとって愛と言えるの?
教えてくれよ教えてくれよ 
胸が痛いよ