斜塔

ピサの斜塔は

誰が見ても斜めに傾いている。

単純に地盤の土質が

極めて不均質であるのが原因で

傾いてしまったらしい。

しかしピサの斜塔は

傾いているからこそ

世界遺産になっているのだ。

もし傾いていなければ

そんなに注目もされず

ただのドゥオモに

なっていたかもしれない。

世の中には

この世の終わりみたいな顔をして

ピサの斜塔みたいに

今にも倒れそうな感じで

傾いて歩いている人がいる。

そんな人を見ると

あの人は悩みがあるんだな、、、と

思えてしまう。

人は傾いて歩いていても

世界遺産にはなれないし

人間国宝にもなれない。

どうせなら

悩んでなんかいないで

背筋を伸ばし笑顔でいたほうが

逆にピサの斜塔のような存在に

近づけるかもしれない。

そもそも

ピサの斜塔が傾いているのではなく

本当に傾いているのは

自分たちが存在する

世界だと考えたら

ピサの斜塔は

傾いていないことになる。

悩んで傾いて歩いている人も

自分から見える世界が変わり

悩むことすら

忘れてしまうかもしれない。

ピサの斜塔さんが

もうそろそろ倒れてもいいですか?

なんて言ってきたら

どうしましょう。

傾いても立ち続ける姿に

人々は心を打たれるのだから

頑張ろうよと励ますでしょう。 

誰かが

この世の終わりみたいな顔をして

傾いて倒れそうにしていたら

頑張ろうよと励ましましょう。

悩んで傾いていても

心打たれるピサの斜塔には

なれないのだから。

ほなまた